「関西でWebアクセシビリティを考える会」に参加してきました

- by konitter

1022(土)に十三の水交ビルで開催された坂本邦夫さん(@Kunio_Sakamoto)主催の勉強会「関西でWebアクセシビリティを考える会」に参加してきました。

この会への参加にあたって、

  • アクセシビリティを取り巻く現状はどうなのか
  • どういう思いで取り組んでいるか
  • どこまでどんな対応をしているか
  • 費用についてはどうしているのか
この辺りについてみなさんの話を聞きたいという思いでいました。

要点については以下の通り。話題のまとまりに合わせて順番は変更しています。

  • ユーザビリティとアクセシビリティ
    • できるだけ多くの人が使えるのが、アクセシビリティが高いということ
    • 100%準拠するというのは無理なもの
    • ユーザビリティは、すでにターゲットが決まっている
    • その決めたターゲットが使いやすいということが、ユーザビリティが高いということ
    • なるべくたくさんの人に使いやすくしたものが、ユニバーサルデザイン
    • バリアフリーは、後付けのもの
  • JIS規格について
    • 公共機関のサイトは新しい規格に準拠しなきゃいけないはずだが、きちんとできている所はわずか
    • 制作会社側においてもコンペなどを見るとちゃんと提案できる会社がない
    • このような勉強会に来るのは現場の人間で、コンペ資料を作成するような上の人間が来ないと変わらない
  • 予算について
    • アクセシブルなデザインやマークアップ等ができるスキルがあることがお金につながらない現状
    • できるんだったらやっといて(無償で)、と言われてしまうような状態
  • Googleについて
    • Googleがアクセシビリティに配慮したページを検索で上位に表示したりするとお客さんから予算取れるのでは?
    • Googleは、現在GoogleBoxというリーダーを開発中
    • 大きな会社は検索云々ではない場合があり、予算より納期が優先されることがある
  • お金について
    • スクリーンリーダーであることがアクセスログからわからない
    • UserAgentが、IEだったりすることが多い
    • アクセスログで支援技術であることが分かれば、効果の測定ができ、それがお金になる可能性も
  • 支援技術について
    • 日本語特有の問題で海外製のリーダーはそのままでは使えない、VoiceOverもそう
    • 高知システム開発のPCTalker(スクリーンリーダー)が今はデフォルト、同社の音声ブラウザNetReaderとの組み合わせ
    • HTML5ならナビゲーションスキップが可能
    • ただHTML5含め最新の技術にソフト側が追いついていない現状
    • 確かにAppleはすごくがんばっていて、iPhone4SのSiriのようなことが日本語でもできれば、アクセシビリティの完成形とも言える理想に近づく(発言された方からのご指摘でニュアンスが異なるとのことで修正しました)
    • それが実現すれば、Webサイトに求められるのは、デザインよりもSiri(もしくはそのような技術)が情報を取得しやすい文書構造になっていることが重要になってくる
    • 音声ブラウザのデモを様々な勉強会を通して各地でやっているが、支援技術の認知度が一向に上がらない
  • リンクの貼り方について
    • アンダーラインを付けるのがいいのか
    • アンダーラインが付いているとリンクとわかるが、そのリンクが羅列されていると見難くなる
    • ブレットイメージとして矢印アイコンなどを付けそれがリンクとわかるようにする、マウスオーバーでアンダーラインを出す
    • キーボード操作の人はマウスオーバーが効かないため、onKeyFocusの対応を考える必要がある
    • onKeyFocusはJavaScriptにより対応する、が、その部分の予算は取れるのか?
    • 制作者側としては、その部分にできるだけ手をかけたくない
  • CMSについて
    • リテラシーの低い人は特にみんなリッチエディターが大好き
    • ただそれが一番怖いところで、めちゃくちゃにやってしまう
    • 強調表現の色はこれとこれまで、など更新のルールを決めてそれを管理画面に出すのはどうか
  • チェッカーについて
    • JISの新規格に対応している配色のチェックツール「Colour Contrast Analyser」、Windowsのみ対応、スポイトで画面の色が拾えるので便利
    • Adobeの提供するカラーツール「Contrast-A」、ブラウザで動く(AdobeAIR版もあり)
    • IBMのアクセシビリティチェックツール「aDesigner
    • 総務省が提供するアクセシビリティチェックツール「miChecker」、Javaの実行環境が必要、ソースコードはEclipseのプラグインとして提供
  • 他業種の意見について
    • アクセシビリティの考えがすでに浸透しているはずの建築関係の方々の意見も聞いてみてはどうか
    • 建築には法律がある
    • 建築では問題があると使う人に直接的な影響がある(Webでは人は死なない)
    • ただ新しい大阪駅を見ると、とてもアクセシブルとは言えない構造
    • 現場レベルでは考えている人はいるが、規模が大きくなるとアクセシブルな概念が及ばないケースも
  • スマートフォン/タブレットについて
    • 今東京で行われている高齢者向けのiPad講座がアツイ
    • iPhone/Macも含めて搭載されているVoiceOver(読み上げ機能)対応が求められてくる
    • その意味でもAlt属性入れるのは当然
    • iPhoneアプリにも読み上げ対応は規約で求められているはずだが、対応できてないアプリもある

簡単にまとめると、支援技術が最新の技術に対応しきれていない現状がありつつも、Alt属性やリンクの貼り方、色など最低限のことには配慮してはいるが、それ以上になるとその分の費用がなかなか取りにくい現状から、必要だとは思いながらもJIS規格にきちんと準拠するにはまだまだハードルが高い、という状況のようです。

なかなか一筋縄で解決できるような問題ではありませんが、だからといって、環境が整うまで何もしないのではなく、さまざまな現状を踏まえたうえで今、制作者は何ができるのか、その部分をしっかりと考え、実行していく必要があると思いました。

当日の様子は、Twitterのハッシュタグ「#acckansai」からも見ることができます。

そして、会を継続して開催し、より多くの人にWebアクセシビリティを広めていくために、Facebookページが立ち上がりました。オープンなFacebookページですので、会に参加しなかった方でも自由に情報を閲覧、書き込みをすることができます。